無限ワンアップ・改

さゆゆのメモ箱

ちろの葬儀(片山家の場合)

先日、実家の猫が死んでしまったことは2つ前の記事にて書いた。「ちろ」という名前の白い猫で、15年と4か月も生きた。私が11歳の頃にうちに来たので、思春期もそれ以降もずっとそばにはちろがいた。

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↑亡くなる日の朝に撮影したもの。本当にかわいい家族でした。今もまだ、とてもさみしい。

 

で、ひとしきり泣いた。家族みんながちろの亡骸と対面した。死後硬直というやつなのか、ちろの体も少しずつ固くなってきた。さてどうしよう、と。片山家は、満場一致で裏庭の畑のそばに埋葬しようということになった。誰か(たぶん弟)が「ちろ、どうするん」みたいなことを言ったが、父ちゃんの「そんなもん、うちに埋めんでどうするがや」という言葉で終わった。裏庭のイチジクの木の下に、ほどよいスペースでほどよい土の場所があったので、スコップで80〜90センチほど深く掘って、その中にバスタオルに包んだちろを横たえた。頭を家のほうにした。体のまわりに切り花をたくさん並べて、いつも食べてたゴハン(カリカリ)をティッシュにくるんだものを口のそばに置いて、ちろバイバイって最後のお別れをした。それから、掘り出したぶんの土をかけていった。顔のところには直接土がかからないようにそっとティッシュをかぶせて、その上から、なるべく軽そうで柔らかい土を少しずつ乗せた。掘った穴はおおむね元に戻ったけど、ハクビシンとかタヌキとか野良猫とかの野生動物が掘り返してしまう可能性があるから、さらに少し高くこんもりと土を盛った。そこに、お盆のお墓まいりセットのロウソクと線香を土に直接突き刺して、手を合わせた。そして今、初七日なので毎日そこのお墓に手を合わせに行ってる。片山家では、そんな感じ。

 

……ペットとのお別れは、こういう形なのが当たり前だと思っていた。ところが、イマドキはそうでもないらしい。

ちろを裏庭に埋葬した日、午後から友達2人と会う予定があった(ちろが死んでしまったことを事前に連絡してたのもあり、いろいろ気をつかってくれて助かった)。

私「ごめんね午前中、時間作れんくて。お昼頃ちろ裏の畑に埋めたわ」

友人H「うん。でもさ、LINEでも言っとったけどさ、まさか本当に埋めるとはね」

友人M「うん」

私「エッ?」

H「イマドキさぁ、ほら、ペットセレモニーみたいなさ、そういうのあるやろ」

M「北陸ペット葬儀社(※そういうのがこのあたりの地域にはある)とかCMやっとるよね」

私「まあ、私もちょっとそれ思ったけどさ」

そう、あるのだ。そういう機関が。

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↑地元ではCMやってるんだよねコレ

友人Hは愛犬が死んだとき、火葬してお骨を拾ったとのことだった。Mは「まぁでも、もしウチだとしても畑に埋めるかなあ」と言っていたので、各ご家庭の価値観の違いなんだと思う。

もしうちに、裏庭とか畑みたいな、敷地内にそういう場所がなかったら? どうしてただろう。たぶんこういうところに行って火葬してたと思う。じゃあ庭も畑も田んぼもない、都会に住む人は、ペットが死んだらどうしてるんだろう?

動物は遺言を残すことができない。「こうするのがあのコにとっていちばん幸せだから」は人間の勝手な思い込みなのかもしれない……。とりあえず家の裏のイチジクの木の下にちろは眠っているので、帰省してくるたびに手を合わせることができる。ちろ、本当は火葬を希望してたんだったらゴメンね……化けて出てこないでね……。