無限ワンアップ・改

さゆゆのメモ箱

音楽の時間

三鷹にある「おんがくのじかん」という場所でライブをしてきた。

名前はよく耳にしていたが、初めて訪れた。地下に続く階段をおりて、恐る恐るドアを開けると、そこに「おんがくのじかん」はあった。こぢんまりとした空間で、小さなステージがある。ステージには「おんがくのじかん7周年」と丁寧にラクガキされた黒板。奥にはバーカウンター。

そして特に印象的だったのが、たくさんのCDと、とりわけたくさんの本だった。

何ヶ所かに本棚があり、そこにはみっちりと本が並んでいる。そのほかにも、バーカウンターにも背の低い文庫本たちがみっちりと並んでいた。その中に、私の好きな「古川日出男」という作家の掌編集「gift」のハードカバーがあったので(私は文庫本で読んでいたから気になって)手に取ると、便箋が1枚挟まれていた。見てはいけないと思いつつ短い文章なので読んでしまった。どうやらここの店主の菊池さんに宛てたもののようだ。どうしても気になったので、店主さんに「以前に出版などのお仕事をされていたのですか」と尋ねると、どうやら古川さんとお知り合いらしく、giftに挟まっていたのは担当編集者さんからの便箋だったらしい。古川さんの本は何冊か読んだので、「私も好きなんです」と少しお話した。その他に棚にあった本で気になるものがあったのでいくつか尋ねた。ボルヘスの伝奇集は「もろ古川さんの影響です」と笑って教えてくださった。

「ここによく出入りしている人には本の貸出もしているんです。作業が追いついてない本もあるけど、うしろに貸出カードが貼ってありますよ」とのことだった。許可をもらって、気になった本を数冊手にとってみたが、なるほど確かに背表紙をめくるとのり付けされた封筒から貸出カードがちょこんと顔を出していた。

まるでちっちゃい図書館みたいで、素敵だった!将来私も自分の本に蔵書票をつけて貸出とかしてみたいな、などと思った。