無限ワンアップ・改

さゆゆのメモ箱

いのち

家の前にスズメの雛が落ちていた。昨日の夕方、父が発見した。まだ生きていた。家の屋根の瓦の中に巣を作っていて、どうもそこから落ちてしまったらしい。小さく切ったタオルを巣の近くの瓦に噛ませて、その上に雛を戻してやった。今日の午前中までは、小さくではあるが両手(?)をぱたぱた動かしているのが確認できたらしい。

さっき布団に入ってから、どうも外の風の音が気になり、干した洗濯物が飛んでいかないか不安になって起きた。まだ起きていた父に洗濯物を取りに行くと言うと、父はスズメのことを気にかけて、外へついてきた。屋根まで届く脚立を出してきて確認した父は「だめだった」。雛は死んでいた。

私も父も悲しい気持ちになった。特に父はとても悲しそうだった。でも、ヘビとかに食べられてしまうよりは良かったんじゃないか、という結論に至った。明日、土に埋めてやる。

雛のことを、心の中で「小さないのち」と思っていた。でも、いのちに大きいも小さいもない。たぶん。父は「もっとああしてれば生きてたかも」と悔やんでいるが、すべてが運命として定まっていたことなら、ちょっと神様いじわるだなぁと思う。こんな悲しい結末になるなら、せめて私たちを出会わせないでほしかった。それでも、私たちの知らないところでこんなふうに簡単にいのちは消えていく。でもみんな絶対、生きるのに必死だ。人間も鳥も同じ、いのちの塊だ。いのちとして生まれた以上は生きなきゃいけない。生きるのに必死で、それでも、どうしても、抗えないときにいのちは終わるんだと思った。抗えないとき。人の都合とか、自然の力。スズメの雛は、自然の力に抗えなかったんだと思う。たまたま。でも、助けてあげられなくってごめんね。

 

なんか、私しっかり生きていなきゃなと思った。

 

 

 

夜中、眠れなくて、ちょっとショックで、なんとなく、忘れたくないなと思って書いた。ヤマもオチもない文章