無限ワンアップ・改

さゆゆのメモ箱

令和2年7月23日

昨日の自分のしくじりポイントを、今日の自分が救わなければいけない。

そう思って、気持ちがラクになる薬を10個飲んだ。朝9時で、スーパーのベンチにいた。飲み物はなんでもよくて、本当はエナジードリンクだけ買おうと思っていたけど年齢確認ができる身分証を持っていたのでストロングゼロも買った。やめておけばよかった。東京はバケツをひっくり返した雨で、ガソリンスタンドの洗車の機械の中にいるみたい。誰も人の姿がない。当たり前だ。私と世界だけ。スーパーのチープなサントラ。

ツイッターを開く。当たり前のように指が。そういえば昨日は某ミスコンの選考結果が出ていて、絶対通過するはずの強い友達が通過してなかった。怒りに任せてツイートを作成する。投稿する時、裏アカと少し迷ったけど結局表アカに投げる。

雨が強さを増してくる。空っぽの胃に薬物とアルコールのオーケストラが響き渡る。

家に。家に帰らねばならない。

家を出たとき夫はまだ寝ていた。依存症の私はこれまで、酒と薬のために何回も何回も嘘を言った。あなたはそれをわかってて、結婚して、見守っている。私は誰よりもいちばんあなたに嘘をついている。ごめんなさい。っていうその言葉もどうせ嘘だろう。私は、自分ごときが苦しいなんて思っちゃいけないと思う。でもくるしい。

 

くるしい?

 

くるしい時、人々は何かのきっかけで川の向こうへ行ってしまう。誰しもが、そう誰しもがふとした拍子にその岸辺に吸い寄せられることがある。わかる。私は何度かザブザブと中に入ってみたことがあるけど幸か不幸か渡りきれたことはない。

中洲に立つと向こう岸が見える。見える。見えるのか? 本当のところ見えているのかもわからない。でも、向こう岸からこっちへ帰ってくるひとはいない。だれも

上流から、すごい速さで水が押し寄せてくる。私が生きてきた歴史と時間だ。涙がこみあげる。水は体を通り抜けて、下流へ。私の未来。水の行く先。涙があふれてくる。そして最後は海へ注ぐ。

 

生きていること。私がいつどこでどれを選んでもその流れに抗うことはできない。

それなのに、何度も同じ毎日を繰り返してる。一瞬は一生続くし、一生は一瞬の地続きなのだった。めくるめく毎日に変化をつけたい時は、薬を11個に増やす。あと何回?同じことを繰り返したら、このリピート再生を停止できるんだろう。私の薬は何個まで増える?

増やせる?

 

今日って何曜日だっけ。ゴミを出さないといけない

 

 

家に帰らねばならん。

 

電話をするたびに、父は口癖のように「くれぐれも、愚かなことはするなよ」と言う。愚かなことっていうのは例えば酒とか薬だ。「そういえば父にも母にもたくさん嘘をついた」そう気づいたとき涙が予備タンクから溢れ出た。毎日くるしい。いつからかわからない。どこかに行きたいのにここから一歩も動きたくない。「今日の私がハッピーでも、明日の私はあっさりとそれを裏切る」そうだ。でも、そんなの前提で歳を重ねてきたんじゃなかったのか?くるしいのにめちゃくちゃ雨でまだまだ朝だ。くるしい