1206
深淵はすぐとなりにあるんだ このご時世は手軽に狂ってしまえるシステムが整いすぎている 正気の隙間をパテで埋めるように狂気で埋める 則って手軽に狂ってしまいたいと思っている やさしくねえな あんなに渇望してた朝よ 来るな 太陽のぼるなわたしを照らすな 怒りと気遣いが綴られた君の手紙を戒めの言葉として壁に貼ったけれど、風化することを恐れて帰宅後に剥がしてしまうでしょう 地下のステージライトだけが 敵のようにそびえていた新宿歌舞伎町が今夜は親友のようにやさしい カラフルなネオンが涙でにじんでいる わたしも歌舞伎町のゴミになって眠りたいな 何もかもを終わらせたいな 今日は三鷹に帰りたくないな