無限ワンアップ・改

さゆゆのメモ箱

0528 お近づきのしるし

カレピの弟くんがご結婚された。めでたい。ということで先日カレピと共にお祝いの品を渡してきた。(※ちな、何を贈るか自宅で相談しているとき私はシラフと見せかけて酒でキマりまくっていたので会話の記憶をすべて失っていた。という最悪の話はまた今度記す)

駅の改札前で、弟くん夫妻+カレピ+私で立ち話を少しした。

我々と奥様は初対面だった。どうもカレピが私のことを紹介する気配がなかったので(ちなカレピのご実家に初めて行ったときもカレピが私のこと紹介しなくて最後まで名無しのまま帰った)(ご家族は予め私の名前を知っていたので良かった)、あわてて「おっお、おンおお兄さんと交際中のっsあsサユリです。」と名乗った。こういうときに自分の立場をどう申せばよいのか、ネットで予習をしてこなかった。とっさに一瞬で脳内を検索したが【交際中】という語彙しかヒットしなかったのだった。迂闊だった。いやいやいや普通に考えてこういうのに付き添って来てるんだし【そういう間柄の相手】だってそんなん、言わんでも見てわかるやろとは思う。でも、ヘラヘラしてないで、自分が何者なのかくらいはひとこと挨拶をするべきだと思っている。なぜかというと私は思想だけは体育会系だから。それで私はとっさに【交際中のサユリです】と言ってしまったけどやっぱ【お兄さんの彼女のサユリです】のほうが良かったか? でもこれはちょっと、自分で彼女って名乗っちゃうのがチャラい感じがする。だから、【お付き合いさせていただいているサユリです】て言うのが最も良かった。しかし【お付き合いさせていただいている】って言葉は長すぎるから【お付き合いさせていただいている】と言う間にまちがいなく変な空気が発生するので嫌だった。それに、【お付き合いさせていただいてる】は、いくら滑舌に自信のある私でも緊張のせいで噛んでしまう可能性があった。

だからって【交際中】ていうのはあまりにも事務的な表現に感じる。変な奴だと思われたかもしれない。

↑みたいなことをすごい速さで考え巡らせ、何も言えなくなっているうちに、なんか解散する感じの流れになった。(喋ったらバカが露呈してしまうからむしろ黙っていてよかった。)

弟くんの奥様はとてもきれいな方だった。私と違って、初対面の我々とも上手におしゃべりできるタイプのしっかりした方のように見えた。奥様は「お近づきのしるしに…」と、焼菓子の紙袋を我々に差し出した。私は困惑した。リアル生きてて【お近づきのしるしに】というフレーズにリアル遭遇したのリアル初だったからだいぶ困惑した。おのれを恥じた。これ、あたしもお近づきのしるしを何か持ってくるべきだったんじゃね? てか、あのタイミングで、あたし渡せるものなんて…ブックオフのクーポン券しかなかったんだけど、どうしてそういうマナー的なやつあらかじめ教えてくれんかったん……と後でカレピに言ったら「こっちからは結婚祝いを渡したでしょ」だった。なんだか腑に落ちないけどそういうことらしいので、ブックオフの券を渡さなくて良かった。

 

あとから気付いたんだけど、このシーン、私だけが他人だった。カレピと、その弟、その妻、私。血縁関係のうえで私だけが他人だったのだった。私だけが違う苗字。私だけが家族じゃない。私だけが輪の外側。それじゃあ、おしゃべりがうまくいかなくて当然だったんだね。