無限ワンアップ・改

さゆゆのメモ箱

0802 泣いてばかりいる君に

「お帰りなさい。今日も学校は楽しかったかい?何、またいじめられたのかい。たくさん痣ができているじゃないか。どうしてお前は、やられっぱなしで、やり返さないのさ?…そうか、人を傷つけるのが恐ろしいか。確かにそうだね。人を傷つけるというのは恐ろしく、覚悟の要ることだ、…おいおい、泣くんじゃないよ。こっちにおいで。よしよし。お前は本当に心の優しい子だ。人が傷ついているのが見ていられないんだね。…つらい…何もできない、か。いいかい、よく聞くんだ。お前は、今のその気持ちを、大切にとっておきなさい。今は何もできなくていいのさ。でも、大人になったら、その気持ちを、絵や音楽や物語にするんだ。それは、お前の知っている人や、お前の知らない誰かを必ず救うものになる。だから今の気持ちは、そのまま大切にとっておきなさい。いつか、わたしにも見せておくれ。楽しみにしているよ。ああ、もう、そんなに泣くんじゃないよ。本当にすぐ泣くね、お前は。誰に似たんだかね。…大丈夫、大丈夫だ。お前は優しい。この痣が証拠さ。さあ、おやつでも食べようか。その泥だらけの手を洗ってきなさい。」